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千日手の意味や、指し直し局とは?藤井対杉本戦で解説してみる。

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将棋の対局で時々起こる『千日手』
又それによる千日手差し直しとは
一体どういう意味なのでしょうか。

師弟対局となった第68期王将戦予選
藤井聡太六段、師匠杉本七段戦を振り
返りながら簡単に説明してみたいと思います。

千日手の持つ意味とは


千日手(せんにちて)とは、
あるひとつの対局において

同一局面(盤面)が4回現れた場合に
千日手とみなされ、差し直しとなります。

野球に例えると、引き分け、再試合という
ような感じでしょうか。

そもそも何故このような千日手が
          起きるのでしょうか。

私が思うに千日手は序盤から中盤の
入り口にかけてが最も多くあるように思います。

中盤の入り口あたりが最も
膠着状態に陥りやすいからだと思います。

そのような状況になると、仕掛けた方が
不利になりやすいからです。

一時的にですが、駒がぶつかり合うと必ず
仕掛けた方が駒損をしますし、無理攻めになる
危険性があるからです。

なのであえて自分からは攻めずに、
          相手に手を渡します。

しかし相手とて打開策を見いだせない場合
同じように相手に手を渡す事になります。

結果的に4回同じ局面が現れてしまうと
千日手が成立するという事です。

藤井対杉本戦の千日手の局面


ではここから3月8日に行われた
第68期王将戦、

藤井六段と杉本七段戦
の千日手の局面を振り返ってみます。

まず下の局面図、これが47手目 
先手杉本七段が9六歩とした局面です。

f:id:gx2nkxug426:20180308214819j:plain

これが同一局面の1回目です。

その後
△5三銀 ▲6六銀 
△6四銀 ▲5七銀 と駒がすすみます。

で2回目の局面がこれ

f:id:gx2nkxug426:20180308215601j:plain

△5三銀 ▲6六銀
△6四銀 ▲5七銀

3回目の局面がこれ

f:id:gx2nkxug426:20180308215601j:plain

△5三銀 ▲6六銀 
△6四銀 ▲5七銀 

59手目に杉本七段▲5七銀とし
これで4回目の同じ局面となりました。

f:id:gx2nkxug426:20180308215532j:plain

また千日手は4回同じ盤面が現れると
そうなりますが、

その他にも条件があります。

盤面(局面)はもちろんのこと両者の手駒、
また手番も一緒でないと千日手にはなりません。


杉本七段47手目 先手9六歩とした局面と
59手目先手5七銀とした局面を比べて
みます。

盤面はもちろん一緒です。
そして両者の手駒も同じ角一枚ずつ。

またその局面での手番も一緒ですよね。
差し手は違いますが、両方とも杉本七段が差
した後の局面になっています。


※ただし連続王手で同一局面が4回
となった場合、反則負けになります。

なので王手をかける側は手を変えなく
てはなりません。(第8条反則の第7参照)


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千日手の指し直しとは


千日手が成立した場合、その当日に
さっそく再試合が行われます。

30分の休憩をはさんだのち、
先手と後手を入れ替えるルールに
なっています。

また差し直し局の両対局者の持ち時間
ですが千日手が成立した対局の残り
時間をそのまま持ち越す事になっています。

関西将棋会館で行われた第68期王将戦
藤井聡太六段と杉本昌隆七段戦は

午前10時から始まりましたが
午後1時18分に 59手目で千日手
差し直しとなりました。

藤井対杉本戦 差し直し

ルール通り30分後の午後1時38分に
差し直し局が開始されました。

王将戦の持ち時間は各3時間です。

千日手局での消費時間は

藤井聡太六段 1時間6分の消費
杉本昌隆七段 1時間2分の消費

よって差し直し局の持ち時間は

藤井聡太六段 1時間54分
杉本昌隆七段 1時間58分

もっと詳しくはこちらも参照
www.shogi.or.jp


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まとめ


以上で千日手の意味や、指し直しとはに
ついての解説を終わりたいと思います。

藤井聡太六段と師匠杉本七段戦
ともに負けられない一戦は両者譲らずの
千日手となってしまいました。

そしてその後休憩をはさみ差し直し局が
行われましたが、

どうやら藤井六段が勝利したようですよ。