2018-03-08 千日手の意味や、指し直し局とは?藤井対杉本戦で解説してみる。 エンタメ エンタメ-将棋 スポンサーリンク 将棋の対局で時々起こる『千日手』 又それによる千日手差し直しとは 一体どういう意味なのでしょうか。師弟対局となった第68期王将戦予選 藤井聡太六段、師匠杉本七段戦を振り 返りながら簡単に説明してみたいと思います。 千日手の持つ意味とは 千日手(せんにちて)とは、 あるひとつの対局において同一局面(盤面)が4回現れた場合に 千日手とみなされ、差し直しとなります。野球に例えると、引き分け、再試合という ような感じでしょうか。そもそも何故このような千日手が 起きるのでしょうか。私が思うに千日手は序盤から中盤の 入り口にかけてが最も多くあるように思います。中盤の入り口あたりが最も 膠着状態に陥りやすいからだと思います。そのような状況になると、仕掛けた方が 不利になりやすいからです。一時的にですが、駒がぶつかり合うと必ず 仕掛けた方が駒損をしますし、無理攻めになる 危険性があるからです。なのであえて自分からは攻めずに、 相手に手を渡します。しかし相手とて打開策を見いだせない場合 同じように相手に手を渡す事になります。結果的に4回同じ局面が現れてしまうと 千日手が成立するという事です。 藤井対杉本戦の千日手の局面 ではここから3月8日に行われた 第68期王将戦、藤井六段と杉本七段戦 の千日手の局面を振り返ってみます。まず下の局面図、これが47手目 先手杉本七段が9六歩とした局面です。これが同一局面の1回目です。その後 △5三銀 ▲6六銀 △6四銀 ▲5七銀 と駒がすすみます。で2回目の局面がこれ△5三銀 ▲6六銀 △6四銀 ▲5七銀3回目の局面がこれ△5三銀 ▲6六銀 △6四銀 ▲5七銀 59手目に杉本七段▲5七銀とし これで4回目の同じ局面となりました。また千日手は4回同じ盤面が現れると そうなりますが、その他にも条件があります。盤面(局面)はもちろんのこと両者の手駒、 また手番も一緒でないと千日手にはなりません。 杉本七段47手目 先手9六歩とした局面と 59手目先手5七銀とした局面を比べて みます。盤面はもちろん一緒です。 そして両者の手駒も同じ角一枚ずつ。またその局面での手番も一緒ですよね。 差し手は違いますが、両方とも杉本七段が差 した後の局面になっています。 ※ただし連続王手で同一局面が4回 となった場合、反則負けになります。なので王手をかける側は手を変えなく てはなりません。(第8条反則の第7参照)<スポンサーリンク> 千日手の指し直しとは 千日手が成立した場合、その当日に さっそく再試合が行われます。30分の休憩をはさんだのち、 先手と後手を入れ替えるルールに なっています。また差し直し局の両対局者の持ち時間 ですが千日手が成立した対局の残り 時間をそのまま持ち越す事になっています。関西将棋会館で行われた第68期王将戦 藤井聡太六段と杉本昌隆七段戦は午前10時から始まりましたが 午後1時18分に 59手目で千日手 差し直しとなりました。 藤井対杉本戦 差し直し ルール通り30分後の午後1時38分に 差し直し局が開始されました。王将戦の持ち時間は各3時間です。千日手局での消費時間は藤井聡太六段 1時間6分の消費 杉本昌隆七段 1時間2分の消費よって差し直し局の持ち時間は藤井聡太六段 1時間54分 杉本昌隆七段 1時間58分もっと詳しくはこちらも参照 www.shogi.or.jp<スポンサーリンク> まとめ 以上で千日手の意味や、指し直しとはに ついての解説を終わりたいと思います。藤井聡太六段と師匠杉本七段戦 ともに負けられない一戦は両者譲らずの 千日手となってしまいました。そしてその後休憩をはさみ差し直し局が 行われましたが、どうやら藤井六段が勝利したようですよ。